担当講義

担当している学部,大学院(博士前期課程・博士後期課程)の講義概要です。

心理と言語A/B (学部)

第二言語習得研究は,大きく分けると(1)言語習得における普遍的な原理・原則を明らかにしようとする研究,(2)そのような原理・原則だけでは説明できない学習者の多様性を明らかにしようとする研究に大別できます。「心理と言語A」では前者に焦点をあて,言語習得を促進するインプット,インタラクション,アウトプットの役割などについて,「心理と言語B」では後者に焦点をあて,言語習得に影響を与える学習者要因(学習動機,学習方略,学習スタイルなど)について考察します。いずれの授業でも,自らの学習経験を振り返りながら,より効果的な外国語(英語)学習の在り方について具体的な考えを持てるようになることを目標とします。


実際の授業では,講義形式を中心にしつつ,適宜,ペアワーク・グループワークによる活動を取り入れます。授業開始時には出席確認を兼ねて,前回の講義内容に関する簡単なクイズを行います。また,学期の最後には,講義全体のまとめ活動として,担当教員から提示される課題について,グループ単位でのポスター発表(詳細は授業内に指示)を行います。


英語科教育法I/II (学部; 資格課程)

近年,英語とその教育環境は大きな変化を遂げています。この急速な変化の中で,英語教師を志す皆さんには,社会からこれまで以上の大きな期待と注目が向けられています。本授業の主な目標は,その期待に応え,皆さんが新しい時代の英語教育を担うための万全な準備を整えることです。その達成のため,英語科教育法Iでは,英語とはどんな言語か,ならびに英語はどのように学ぶのかといった「理論的側面」,英語科教育法IIでは,英語はどのように教えるのかといった「実践的側面」に焦点を当て,中高における英語教師として必要な知識と技術を体得することを目標とします。授業を通じて,より効果的な英語指導の在り方について具体的な考えを持ち,実践できるようになるとともに,教育現場での諸問題を自ら発見し,的確に対処できる問題解決力を身につけることを目指します。


授業では担当教員による講義に加えて,個人・ペア・グループによる活動(プレゼンテーション,ディスカッションなど)も多く実施します。これらの活動には積極的に参加し,主体的な学びを深めていくよう心掛けてください。


演習3A/3B,演習4A/4B (学部)

「外国語学習の科学: 理論・研究・実践」をテーマに掲げ,外国語学習の成功や失敗に影響を与える学習者要因(学習動機,学習方法,学習スタイルなど)について研究します。


3年次には,4年次の卒論執筆を見据えて,演習を進める上での基礎となる3つの力(①英語力,②研究力,③プレゼン力)を強化していきます。「①英語力」は英語で書かれた文献の読解,英語でのプレゼンに加え,英語試験の受験(任意)を通じて,各自の英語学習を客観的に分析し,より効果的な学習を計画・実行できる能力を身につけます。「②研究力」は興味・関心のあるトピックを研究課題として具体化させ,調査計画の立案・実行・評価といったプロセスをグループ単位で経験することにより,研究を着実に遂行できる能力を身につけます。「③プレゼン力」は毎授業の開始時に行われる3分プレゼン,事前に分担した文献内容のプレゼン,プレゼンテーション大会への参加(任意)などにより,伝えたいことを簡潔に分かりやすく表現できる能力を身につけます。


4年次には,3年次に学んだことを踏まえ,各自が個人単位で興味・関心のあるトピックについて卒論を執筆します。具体的には,調査等によって実際のデータ収集・分析を行う研究論文,あるいは理論的考察を行う研究論文を想定しています。授業では,定期的に各自の進捗状況を報告しあい,他のゼミ生や院生,教員からのフィードバックを受けます。


English (Listening) (学部)

Students will acquire the attitudes and abilities to use English to obtain information and to communicate actively in English. In this course, in particular, the aim is for students to understand the characteristics of academic lectures and to develop aural comprehension ability to meet specific needs. Students can expect to be able to do the following after taking this course: (1) To develop skills necessary to identify the main ideas in lectures; (2) To develop skills needed to identify specific details when listening to lectures; (3) To achieve not only bottom-up comprehension, but also top-down comprehension making use of schema (prior knowledge); (4) To expand knowledge of vocabulary necessary for improved listening skill; and (5) To develop effective note-taking skills. The focus will be on the development of listening ability, but the four skills will be linked together to bring about their improvement in an organized manner.


*This course will be conducted entirely in English.


英語教育学研究(心理言語学) (大学院・博士前期課程)

第二言語習得に影響を与える認知プロセス,そのプロセスを活性化するインプット,インタラクション,アウトプットの役割に焦点をあて,第二言語教育を効果的に進めていく上で必要となる知識や技能を身につけるとともに,そのような教育の効果を検証する方法を身につけることを目標とします。


授業では,英語または日本語で書かれた第二言語習得論に関する基本的な文献を取り上げ,教員による講義,担当者による報告,疑問点・問題点に関する全体討議,教員による補足説明等を行います。文献を深く読み解く上で必須となる研究手法(統計解析)についても,代表的な方法を取り上げ,実際にデータを用いながら体験的に学んでいきます。


英語教育学演習IVA/IVB (大学院・博士前期課程)

第二言語学習の成功や失敗に影響を与える心理的要因に焦点をあてた最新の理論や研究について学びます。より具体的には,性格,動機づけ,原因帰属などといった構成概念に対する理解を深めるとともに,それらの適切な測定方法(統計的手法を用いた分析を含む)や実際の教室場面での活用方法(リサーチ・プロポーザルの執筆を含む)を身につけることを目標とします。


英語教育学演習IVC/IVD (大学院・博士前期課程)

第二言語の学習・指導と認知・社会・文化的要因との関連を扱った最新の先行研究を概観した上で,(1)自らが追求したい研究課題や研究仮説の設定,(2)それらに基づいた調査計画の立案,(3)実際の調査実施と分析・考察,(4)調査結果の報告・公表,といった一連のプロセスについて実践的に学んでいきます。演習IVCでは(1),(2),演習IVDでは(3),(4)に焦点をあてるとともに,研究を遂行する上で必要となる研究手法(統計解析)を身につけることを目標とします。


言語・国際交流特別研究 (大学院・博士後期課程)

英語や日本語を含む第二言語教育の専門家として,第二言語の習得に影響を与える学習者要因(とりわけ,学習動機,学習方略,学習スタイル)に対する理解を深め,学習者中心の教育を実践する上で必要となる知識や技能を身につけることを目標とします。また,実証的手法を用いた論文の読解を通じて,研究の計画・実施・評価に必要な研究手法,分析手法(統計的な分析を含む)に習熟することを第2の目標とします。授業では,英語,または日本語で書かれた第二言語習得の学習者要因に関する文献を用い,担当者による報告,疑問点・問題点に関する全体討議,教員による補足説明等を行います。毎回の授業出席,積極的な討議参加に加え,課題の作成を含めた授業前の入念な準備が要求されます。


研究論文指導I/II (大学院・博士後期課程)

本演習が対象とする研究分野は応用言語学,心理言語学,第二言語習得研究であり,テーマは第二言語習得に影響を与える学習者要因(とりわけ,学習動機,学習方略,学習スタイルなど)の理論実証的研究です。研究論文指導I, IIでは,当該研究領域における最新の研究動向を体系的に整理します。その過程を通じて,先行研究での研究課題の設定や研究仮説の立て方,分析方法などについて批判的に検討することができるとともに,その成果を自らの研究計画の立案に活かすことができるようになることを目的とします。


研究論文指導III/IV (大学院・博士後期課程)

研究論文指導IIIでは,博士論文の執筆を念頭に置き,自らが追求したい研究課題や研究仮説の設定とそれらに基づいた調査計画の立案について学ぶとともに,研究を遂行する上で必要となる研究手法(統計解析)を実践的に身につけることを目的とします。研究論文指導IVでは,引き続き博士論文の執筆を念頭に置き,実際の調査実施と分析・考察,ならびに調査結果の報告・公表の仕方について学ぶとともに,研究を遂行する上で必要となるより高度な研究手法(統計解析)を実践的に身につけることを目的とします。


研究論文指導V/VI (大学院・博士後期課程)

研究論文指導Vでは,研究論文指導III,IVで学んだことを踏まえ,博士論文執筆にかかる問題点を再検討する(必要に応じて,研究計画の練り直しや再調査を実施する)とともに,研究のさらなる充実化,精緻化を図ることができるようになることを目的とします。研究論文指導VIでは,研究論文指導III,IVで学んだことを踏まえ,博士論文の完成を目指すとともに,一連の研究から得られた成果を国内外における学会発表や学術論文としてまとめます。その過程を通じて,当該研究領域における研究のさらなる発展・深化に貢献することができるようになることを目的とします。